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2022.12.13
派遣社員も交通費はもらえる!2つの支給方式や税金にまつわる注意点とは[派遣2]

派遣社員は、正社員と比べて自由度が高くプライベートとも両立しやすいと働き方のひとつです。


しかしその反面、給与や各種手当、福利厚生などの面で正社員と格差があるのではないかと懸念される方も多くいます。

特に派遣社員の場合、通勤する職場が定期的に変わるため、交通費が支給されるかどうかは非常に重要なポイントといえます。


そこで今回は、派遣社員に対する交通費支給について詳しく解説します。

改正された派遣法の特徴や、具体的な交通費の支給方式についてもご紹介するので、ぜひ本記事をお役立てください。


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派遣社員は交通費をもらえる?

派遣社員は交通費をもらうことができるのか、と疑問に思われている方も多くいます。

結論から申し上げると、2020年4月に施行された改正労働者派遣法により、派遣社員にも交通費が支給されるようになりました。


派遣社員はその働き方の仕組み上、定期的に通勤先である職場が変わるため、捉え方によっては正社員以上に交通費の支給が重要な観点となってくるのではないでしょうか。

派遣社員の働き方改革の一環として実施された法改正に伴い、条件を満たす派遣社員に対して実費で交通費を支給することが義務付けられました。


派遣法改正

派遣社員への交通費支給を考える上で重要なポイントとなる派遣法の改正についてご紹介します。


2020年4月の法改正は、交通費に限らず賞与や各種手当、退職金などにおける派遣社員と正社員の間の格差解消、いわゆる「同一労働同一賃金」の実現を目的に実施されました。

改正法の中では派遣社員に対する各種賃金の支給方法として「派遣先均等・均衡方式」と「労使協定方式」の2つの方式が設定されており、派遣会社はこのどちらかを選択するよう定められています。


同一労働同一賃金を考えるにあたって、「誰と比較して同一と判断するか」が鍵となっており、この2つの方式はそれぞれ比較対象が異なります。


派遣先均等・均衡方式

派遣先均等・均衡方式は、派遣先企業で働く社員と比較して同一労働同一賃金となるように交通費などを支給する方式です。

実際に同じオフィス内で働く派遣先企業の社員と同じ待遇になるため、法改正以前に感じていたような周囲との格差・不公平感を解消できるメリットがあります。


デメリットとしては、派遣先企業が変わる度に新たな職場に合わせた待遇になるため、交通費の支給額やボーナスなどの手当が不安定になります。

また、派遣先企業の中には、派遣社員や派遣会社に対して会社の就労規則や評価制度を開示すること自体に抵抗感があるところもあるため、注意が必要です。


労使協定方式

労使協定方式は、同じ地域で働く同じ職種の正社員の平均、いわば世間的な相場と比較して同一労働同一賃金となるように交通費などを支給する方式です。

派遣先が変わったとしても職種が変わらない限り同じ待遇を受けられるため、先の見通しがつけやすく、安定しているといえます。

また、派遣先企業の大小に関係なく賃金を得られる点も大きなメリットといえるでしょう。


通勤交通費に関する変更

派遣法の改正以前、多くの派遣社員は時給に交通費が含まれる、もしくはそもそも交通費が支給されない条件のもと契約していました。

交通費が支給されないことに対して正社員との格差を感じている人が多くいたのはもちろんのこと、税金の観点から時給に交通費が含まれることに対してデメリットを感じる人もいました。


一般的に交通費は非課税対象ですが、時給に含まれた形で支給された場合は課税の対象となります。

そのため累進課税による所得税や住民税の支払いなどにおいて、不公平感を抱く派遣社員も少なくありませんでした。

しかし、この改正労働者派遣法の支給により、正社員と同等以上の交通費を派遣社員に対して支給することが義務付けられました。


また、支給方法も時給換算ではなく交通費を実費で支払うように定められたため、支給された交通費は非課税対象となります。

今回の改正でこれまで交通費がもらえなかった方や、時給に組み込まれていたことで納税額に不満を持っていた方の待遇が大きく改善されたといえるでしょう。


ただし、正社員に対しても交通費が支給されていない会社の場合、派遣社員も同様に交通費がもらえないのでご注意ください。

派遣先均等・均衡方式の場合、次の派遣先を決める際にその企業の正社員がどのような形で交通費が支給されているのかをチェックしておくと安心です。

労使協定方式における交通費の支給金額の決め方については次の見出しでご紹介します。


派遣社員の交通費の決定方法

労使協定方式において、派遣社員に対する交通費の金額を決定する方法について解説します。

前述したとおり派遣先均等・均衡方式の場合、交通費の支給条件や決定方法は派遣先企業のルールによって決まるので、自分の職場のルールはしっかりと確認しておきましょう。


実費支給と定額支給の場合の場合がある

派遣社員の交通費は、定額が支給される場合と、現住所と職場の距離を考慮して計算した金額に応じ実費で支給される場合の2パターンがあります。


実費支給の場合

実費で交通費を支給される場合、支給する金額に上限が設けられているかどうかがポイントとなります。

もし支給金額に上限がない場合、自宅から職場までの交通費を出勤日数に応じて実費で受け取ることができます。


それに対し交通費の支給上限が設定されている場合、派遣会社は一般通勤手当を基準として求められる金額以上の交通費を支払う義務が発生します。

この支給する交通費の最低金額は以下の計算式で求めます。

「74(円)×1日の所定労働時間×1週間あたりの所定労働日数×52(週)÷12(ヶ月)」


例えば週に3日、1日8時間勤務している派遣社員の場合、「71×8×3×52÷12=7,384」となり、最低でも7,488円以上の交通費を受給する権利があります。

この71円のことを一般通勤手当と呼び、毎年金額が変動しますが、今回は令和4年のものを基準としています。


定額支給の場合

労働者に対して一律で交通費を支給する場合も、先ほどご紹介した一般通勤手当を基準として求める金額が最低金額となります。

以下の式に派遣契約で取り決めた労働時間、労働日数を当てはめて計算すると、定額支給の場合の最低支給額がわかります.

「一般通勤手当×1日の所定労働時間×1週間あたりの所定労働日数×52(週)÷12(ヶ月)」


労使決定で決定される

実費支給と定額支給で支給金額の決定方法に違いがありますが、いずれの場合でも最終的に労使決定の手続きを踏んで金額が締結されます。


具体的には、派遣会社と過半数労働組合とが協議し労使協定を締結します.

そして、その内容を労働者全体に周知する必要があります。


過半数労働組合がない場合は、代わりに過半数代表者が派遣会社と協議します。 代表者は、派遣会社が指名することはできません。

そのため、同じ派遣会社に所属するすべての労働者が話し合いや投票で決めたり持ち回りで担当したりと民主的な手続きをとる必要があります。


また、協議においては記事前半でご紹介したような法律で定められたルールをきちんと満たしているかを確認する必要があります。


交通費支給に関する注意点

交通費の支給に関して、注意していただきたいポイントを2つ解説します。

法律や税金に関わる項目なので複雑な要素も多いですが、詳しくご紹介するので不安の解消にご活用ください。


納税金額が変わる可能性がある

交通費を給料とは別に実費で支給されることで、これまでと同じ働き方をしていても住民税や所得税の納税額が変わるケースもあります。

住民税や所得税は、累進課税制度によって所得が大きくなるほど納税金額も増えるというルールがあります。


法改正によりこれまで確定申告ができず交通費分も課税されていた方の場合、扶養控除なども含め各種納税額が低く抑えられる可能性もあります。

ただし、社会保険料は交通費も合算されるため注意が必要です。


交通費支給のルールは複雑である

交通費支給にまつわるルールは、支給金額の決定から各種税金、社会保険料の計算まで多岐にわたっており全てを把握するのは難しいです。

そのため、気になる点がある場合はきちんと派遣会社に問い合わせてみるのがおすすめです。


法律にまつわるルールは理解が伴っていないとトラブルに発展してしまう可能性もあるので、疑問を疑問のまま終わらせるのではなく、専門機関に問い合わせておくと安心です。


派遣社員として働くメリット

派遣法の改正により、派遣社員の働き方は大きく改善されました。

これまで正社員との格差がネックとなっていた方にとっても、派遣に挑戦する後押しとなったのではないでしょうか。


最後に派遣社員として働くメリットを3つご紹介します。


①さまざまな職種で幅広い経験を積める

派遣社員は定期的に職場が変わるため、多くの経験を効率よく積むことができます。

同じ職種や業種であっても、会社によって携わる案件のジャンルや仕事の進め方はさまざまです。


また、職場が変わることで新たな出会いも多く、非常に刺激に溢れた働き方といえます。

自分に適している仕事がわからない方や、同じ職場だと飽きてしまうから変化が欲しい方などに適した働き方といえるでしょう。


②ライフスタイルに合わせて仕事を選びやすい

派遣社員は契約を更新するかどうか考えるタイミングが定期的に訪れるため、ライフスタイルの変化に合わせて仕事を一時休止したり、勤務時間の短い職場に移ったりすることができます。

子供の進学やパートナーの転勤、両親の介護などのライフスタイルの変化にも柔軟に対応できるでしょう。


③派遣会社のサポートを受けながら働ける

働く上で何か悩みが生じた際には、派遣会社の担当者に相談することができます。

派遣先でトラブルがあった際にも、派遣会社が間に入ってサポートしてもらえるので安心です。

スキルアップのサポートなどキャリアアップに役立つ制度を設けている派遣会社も多く、より自分らしくキャリアを形成しやすい点も魅力といえるでしょう。


派遣社員として働くならフェローシップ

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まとめ

2020年4月の法改正により、派遣社員でも交通費を受給できる環境が整備されました。

交通費に限らずボーナスや退職金なども同一労働同一賃金の法則に則って受給できるようになったため、派遣社員の働き方が大きく改善されたといえます。


交通費の支給方法にはいくつかの種類があり、金額の決定方法も会社によって異なります。

また扶養控除にまつわるルールなど複雑な項目が多いので、気になる方はぜひ一度派遣会社の担当者に問い合わせてみることをおすすめします。


働きやすい環境が整えられ、正社員との格差も是正されつつある派遣会社に興味をお持ちの方は、ぜひフェローシップにご相談ください。幅広い業界・職種の求人をご紹介しているので、自分にあった職場が探しやすいです。

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