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2020.12.06
就職活動中の外国人は押さえておきたい日本の面接マナー&特徴[グローバル2]

◆日本は独特! 就職活動の特徴&面接マナー

日本の就職活動と面接のマナーって、実に独特。

おそらく他の国にはないであろう、オリジナルのマナーがたくさん設定されているのです。

外国人求職者の方は特に戸惑うことも多いかとは思います。「それって意味あるの?」「なんか慣れない」などの意見を持つかもしれませんが、日本で就職活動をする以上はそれらを覚えて従っていく必要があります。

実力はあるのに、マナーに従っていないために面接で落とされてしまった、なんてことにはなりたくないですものね。

ここでは、外国人求職者に向けて、とりあえずこれだけは押さえておきたい! という日本の面接のマナーを書いていきたいと思います。

 

◆面接に行く前に。覚えておきたい面接時の服装と髪型

日本の面接時の服装。ずばり新卒の場合は男女ともリクルートスーツを着用することをオススメします。

(最近、リクルートスーツ以外で面接に来てください、と事前に通知する企業も出てきました。その場合は、その旨に従ってリクルートスーツ以外を選択しましょう)。

スーツ量販店などに行くと「就職活動に」「リクルートスーツ3点セット」などと書かれた看板がありますので、こちらを購入するのが簡単でオススメです。

バッグや靴やベルトなどまでセット販売されている場合もあるので、それらを購入すれば「このバッグで大丈夫かな?」と悩む必要もなくなりますね。

新卒ではなく、中途採用の場合は、男性は紺の無地スーツ。

女性はシンプルなブラウスとスカートがいいでしょう。

 

海外の就職活動の場合、服装に一定のルールがないことのほうが多いようですが、それでもオフィスワーカーの面接の場合はやはりスーツ着用で面接に挑む人が大多数。

女性ならば、スーツまでいかなくてもジャケットにヒールで行く人が多いようです。

株式会社フェローシップ勤務の中国人社員も「中国ではリクルートスーツ着用の習慣はありません。おそらく全世界的に見ても、日本だけの習慣じゃないでしょうか」と話していました。

 

オフイスワークの面接にはスーツやジャケットで、という暗黙の了解はあるようですが、それでも日本のようにワイシャツの色や靴や鞄までみんな横並びという決まりはありませんし、だれもそこまでしません。

<みんな同じ服装>であることを求める国は、おそらく日本だけ。日本は目立つこと、人と違う生き方はよしとせず、個性を埋没させる方が好まれる国ですから。

おかしな習慣といえば、たしかにおかしな習慣。でも、日本で就職を希望する以上はやはり事前にリクルートスーツ一式はそろえたいものです。

 

靴は黒、女性はあまりヒールの高いパンプスは避けましょう。

靴の汚れが目立つことがないように、事前の手入れも必須です。

ショップによっては、靴もスーツなどど一緒に販売しているところもあるので、リクルートスーツを買いに行った際には、チェックしてみてくださいね。

 

次に髪型。

男性は長髪はNG。短髪で顔がしっかり見える髪型がいいでしょう。

ヒゲや長すぎるもみあげはNGです。

 

女性は、長すぎる前髪はピンなどで止めるなどの工夫を。

ロングの場合は、髪をおろすのではなく後ろでしっかりと束ねて顔と表情がちゃんと見えるようにしてください。

香水や濃い化粧は、新卒でも中途でも避けたほうがいいでしょう。

 

男性女性とも、面接時には「清潔感」を与えることが大切。

話している最中に髪を触る癖がある人がいますが、それも清潔感を与えないので気をつけてくださいね。

 

海外だと、個性や自分らしさのアピールが必要なことも多々あるでしょう。

日本では、たとえばアパレル関連の会社や特別な才能を要求されるデザイナーなどならば、ある程度の個性も「よし」として認められます。けれども、それ以外の企業を受けるのであれば、自分だけ目立つようなことはせずに、外国人求職者であってもルールとマナーにならうことをオススメします。

 

◆面接当日。覚えておくべきマナーとは?

面接当日。必ず覚えておきたいのは<時間厳守>ということ。

日本人はとても時間に正確な国民性。ましてそれが仕事の場だとしたらなおさらです。

日本では、時間にルーズな人=仕事ができない人、とカテゴライズされることも。

ですから、面接当日は必ず10分前には企業に到着して受付をすませてしまいましょう。

これより早い時間に到着すると、企業の準備が整ってない場合もあるので、迷惑になるおそれも。10分前に受付、を心がけて家を出るようにしましょう。

 

入室する際は、必ずノックを3回(外資系の場合は4回)、中から「おはいりください」の一言を聞いたらドアをあけ、「失礼します」と言って入室します。

このとき、なるべく明るくハキハキした印象を与えるように、声のトーンを意識。

「人の印象は最初の5秒で決まる」という話を聞いたことがありますか?

たとえば、暗くはっきりしない口調で「失礼します」と言って入っていった、とします。

それが第一印象となってしまえば、実際はそうでなくとも「暗い人だな」と思われ、敬遠されてしまう恐れも。

それを避けるためにも面接で話すときは常に明るくハキハキと話すことを心がけましょう。

 

また、座り方にもマナーがあります。

背筋をまっすぐにして、座ること。足を組んだり、足を大きく開いて座るなどはもってほかです。

手の位置は男性の場合、手を軽く握って太ももの上に。女性の場合は指を伸ばして太ももの上で重ねておきましょう。

 

もうひとつ、覚えておきたいこと。それは名刺のルールです。

学生時代に名刺をもらうことはめったにないかもしれませんが、就職活動中の面接の場で面接官が学生に名刺を渡すことはよくあります。

では、名刺はどのように受け取ればいいのか――。

・名刺を受取る際は必ず立つ、机越しに名刺を受取ることのないように、机の外に出ること。

・相手が名刺を出したら、「頂戴いたします」と言って胸の位置で受け取る。

その際、ロゴや社名に指がかからないように気をつけましょう。

・胸の位置に名刺を持ったまま、「●●(自分の名前)と申します。よろしくお願いいたします」とあいさつをする。

・いただいた名刺はすぐに鞄にしまったりせず、もし持っているなら名刺入れに、名刺入れがなければ机の上に置くこと。名刺を複数の人にいただいた場合は、役職が一番高い人の名刺を名刺入れの上に。縦に役職順に並べましょう。

・名刺はその人と会社の代わりといっても過言ではない、大切なアイテム。

くれぐれも面談中に名刺を折ったり、くるくるとまわしたりしないようにしましょう。

 

日本人は名刺をとても大切にします。

アメリカやヨーロッパ系、中国などでは「初対面の際は名刺交換よりも、まず握手」と考えるようですが、日本はなにがなくてもまず名刺交換。ビジネスの場で握手する、という習慣はそもそもありません。

細かなルールがある日本の名刺交換ですが、海外では名刺を<ただの紙切れ>と認識する人も。

商談中に相手の名刺をメモ代わりにして、なにか書き込む人もいるぐらいです。

それはそれで日本人からすれば、かなり驚きの行動なのですが……。

国が違えば、ビジネスマナーも変わるものなのですね。

 

以上の面接マナーは新卒、中途採用に関わらず必ず守りたいものとなるので覚えておいてくださいね。

 

◆外国人求職者が面接時に聞かれる、よくある質問

外国人が日本企業で面接を受ける際に、よく聞かれる質問がいくつかあります。

 

ひとつは「なぜ日本に来ようと思いましたか?」、というもの。

「日本のドラマに憧れて」「日本のアニメが大好き」「ずっと日本語を勉強していたので、実際に日本で日本語を使って仕事をしたいと考えた」――人によって日本に来て就職しようと考えた理由は様々だと思います。

ドラマであってもアニメであっても、日本に来る立派な理由ですから、そこはありのままの来日理由を面接で伝えても大丈夫です。

 

そして次に「いつまで日本にいる予定ですか?」という質問。

かなり崩れてきたとはいえ、日本はまだまだ終身雇用の考えが根強い国。

そのため、たとえあなたが数年ごとに転職してステップアップを考えているとしてもそれをそのまま素直に口に出すのはNG。

いずれは母国に帰ることを決めていたとしても、それをあえて積極的に話す必要もないでしょう(かなり遠い将来の話であれば、話してもいいかもしれませんが)。

「うちの会社で、長く頑張ってくれるつもりなんだろうな」と面接官に思ってもらうことがベターでしょう。

 

「なぜ日本で働こうと思いましたか?」という質問もよくあるようですが、あまりネガティブな答えは避けたほうが無難。

「母国よりも日本のほうが給料が高いから」は本音だとしても、それを最初に伝えるのはやめておきましょう。

できるなら「大学(専門学校)で●●●(自分の学んだこと)を学んできました。学んだことを、次は日本で実際に活かしたいと思い、日本での就職を希望しました」など、自分が日本で学んできたことと就職先の業務を上手につなげて話してみましょう。

 

「日本の好きなところはどこですか、また、嫌いなところは?」

というのも、よくある質問のひとつです。

ここは正直に話しても大丈夫でしょう。嫌いなところを話す場合は、その理由と、できれば「自分の国ではこうなのですが、日本では●●●なので戸惑いました」など、母国との比較があると面接官に伝わりやすいかもしれませんね。

 

そして最後に。

面接では「上手な日本語を話さないと」と意識するあまり、極端に口数が少なくなったり、話しだしても自信なさげだったり、声が小さくなったりしてしまいがち。

でもそれでは「消極的な人」「自分に自信がない人」と思われてしまう恐れも。

日本語を気にしすぎるあまり、自分の持ち味や長所を発揮できないなんてもったいないですよね。

日本語が多少うまくいかなかったとしても、堂々と明るくハキハキと喋るようにしましょう。

「この人と一緒に仕事をしてみたいな」と思われることが面接攻略のポイントです。

頑張ってくださいね!


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